★五行穴について? ★

> 名前 = A.A
> 性別 = 女性
> age =20to29>
> メッセージ =
ホ−ムぺ−ジ楽しく見させていただいています。
鍼灸について少し教えていただきたい事があります。
まず、十二経脈にある五行穴や、五要穴とはどのようなものなのでしょうか?

申し遅れましたが、私は鍼灸大学に通っているものです。


A.A 様へ

「五行穴」ですが、普通は、「五兪穴」「五輸穴」とか単に略して「要穴」とも言いますね。
「要穴」は「五行穴」以外にも、「12原穴」「15絡穴」「8会穴」「8脈交会穴」「16げっ穴」「下合穴」「兪募穴」「交会穴」等があって、それぞれ沢山ある経穴を様々な要素で色分けしているのです。
どの様な分け方をしても選ばれて何度も名前が登場する「ツボ」は最要穴=MVPであって最も日常の臨床に使われる効果の高い経穴、ツボって事になりますね。

経穴=ツボはご存じのようにたくさん有りますが、実際に頻繁に使うものはご質問の五兪穴と原穴、絡穴、げっ穴に膀胱経の背部兪穴でしょう。

「五兪穴」は12経脈のそれぞれの経脈の運行する姿(状況)を、天から降った水(雨)が山にしみ込み、溢れて湧き出して川となって流れて、最後には海に注ぎ込む様に水が順々に流れていく様子に例えて、それぞれの経脈中の経穴から作用や効果の大きさによって選別してまとめたものです。
すべて手足の先から肘又は膝までの間、両手足の関節周辺にあります。

「水が湧き出るポイント」を「井戸」の「井」を使って「井穴」せいけつと名付け、順に水が量を増して浅瀬から深いところへ周りの様子を変えながら流れ込むように、人間の「経気」も浅いところから深いと所へと順に通過場所によって変化してその場所に応じて経穴の作用も違ってくると古代中国人は考えたのですね。

とにかく、身体幹部のツボの場合はそのほとんどが、そのツボの周辺部の痛みや病を治療するのに比べて、五輸穴のように手足の肘、膝から下の関節周囲のツボ群は、その部分以外の身体全体の大きな病を治す凄い力を持ったツボばかりなんですよ。
(五行穴それぞれについては最後に記載します。)


以下に五輸穴(五行穴)を私自身の考えでまとめてみました。
これはつまり、 何故身体内部の情報が手足の末端のツボに現れるか、言い換えると、 どうして手足のツボで内臓の病気を治す事が可能なのか
の私見でもあります。


多様な動きをする為に仕組まれた「関節」という複雑な骨格システムは、別な観点から見ると血液も含めて、人間の身体の「気」というか「生命エネルギーの巡行、循環を
阻害しやすい「関所」の様なモノですから、五臓六腑を含め身体の中に何かトラブルがあると、この関節部分に必要十分な血液や気といった「生命エネルギー成分」を 「速やかに通過させるパワー」が多少とも失なわれるはずです。

そして、おそらく古代中国鍼灸の先達は長年の経験の蓄積から、五臓六腑を始め身体内部のどの部分にトラブルが起きると、複雑な骨格を持つ「両手足の関節部」のどのポイントにエネルギーの「渋滞」、「とどこおり」を引き起こすかの身体内部とのリンクの末端ポイントを発見したのでしょう。

これがつまり身体内部の各臓器の状態を反映した全身のエネルギーの巡行具合を表現する、両手足関節周囲にある「五輸穴」としてまとめられたのだと思います。

「身体内部の各臓器が創出した生命エネルギー」を「五体に必要十分な勢いで通過させ、循環させるパワー」の「強弱」の状況は身体から最も遠い、
従って速やかに通過させるのに最もパワーが要る部分「手足末端の関節部」ほどクリアに現れるのは
当然のことではありませんか?


例えば、ワイシャツの一番上のわずか数センチ違いのボタンの掛け違いがシャツの一番下に行くと20センチ以上の大違いになって、誰の目にも、(ずっと上の部分の)ボタンの掛け違いが明らかになるようにね。

別の例えで言うと、中国経済の本当の強さ(実体経済)を知るには、北京や上海ではなく、むしろ中央から最奥の農村部の姿を見ることでしょう?
中央の経済システムの歪みは、末端に行くほどより大きく、明確に成って顕れるものでしょう?

長い間心臓機能に障害があると、手足の末端の指先が紫色に変色しています。チアノーゼによる変化も末端ほど顕著に現れていますよね。私達も体調が悪いと爪半月が小さくなったり、艶が無くなったりして身体の末端の爪先で確認出来るでしょう?
人体の生命システムもほぼ同じようなモノではないでしょうか?

というわけで
手足末端のツボの表現力を利用した身体内部の各疾患の治療こそ鍼灸医学の醍醐味と言えるのですね。
so that、手足のツボをうまく使って病気を治すのが名医の一つの条件とも言えますね。

逆に身体幹部のお腹や背中のツボ群は、一般にその当該部分の身体内部の情報しか開示する能力がありませんね。
お腹のツボはお腹の状態を表現し、背中のツボはその内部の各臓器の状態を現すとかですね。


五輸穴以外にも、12原穴と15絡穴を表裏でマッチングした治療法、16げッ穴を使った激痛、救急治療なども私は大好きです。
特にドラマチィックな効果を生む「16げっ穴」は絶対に知っておくべきですよ。
鍼を打った自分自身が何度その劇的な効果に感動を覚えたか知れません。
中でも心包経の「げき門」は心停止を起こした心臓を一発で再起動させる力を持っている
恐ろしいほどのパワーのツボです。
私はいつも、体育教師やスポーツ指導者の皆さんにこの「げき門」のツボ刺激方法だけでも知っておいて欲しいと思ってます。
心肺蘇生法として、これほどの効果的なツボは他にありませんよ。
その他にも加えるとより効果が増す心臓蘇生のツボが数々ありますが、一発必中の「心臓再起動のツボ」といえば「げき門」ですね。

又、原穴は五臓六腑それぞれのトータルバランスのアンテナ的ツボとして知られています。

そこで、健康体の方(ほう)が電気抵抗が大きいという考えに基づき、12原穴の電気抵抗をチェック(つまり電流量を計る)して健康診断をする「良導絡ノイロメーター」が開発されたのです。
これは欧米でも売れている中国医学のツボを利用した日本製健康測定機です。
ツボの様な現れる位置に個人差が有る、あいまいなポイント(原穴)を如何に正確にキャッチして電流量を計るかが、このマシンのネックでしょうか。
当然ですが、測定者によって数値に差が出るんですよね。

しかしこのノイロメーターは何の中国医学的な診断基準も持たない欧米のにわか鍼灸家には必需品みたいですね。

しかし、日本の鍼灸師がこんなマシンに診断を頼っていては中国の鍼灸医師から笑われますよ。すべからくマシンに診断を頼るようでは本物の鍼灸医では無いと思って下さいね。

患者を自分自身の五感を使ってフリーハンドで正しく診断する為に脈診を始め四診を必死になって無我夢中で勉強するのが鍼灸師としての本来の姿でしょう?
つまり日々これ精進あるのみ、お互いに頑張りましょう!




手足12経の五行穴図

手の陰経(肺、心包、心)の五行穴 手の陽経(大腸、三焦、小腸)
の五行穴図
足陽経(胆)の五行穴図
足陰経(腎、脾、肝)の五行穴図
足陽経(胃)の五行穴図
足陽経(膀胱)の五行穴図


◎五行穴
@「井穴」はスタート地点で手足の爪の生え際近くにありますね。
救急的な意味で使う事が多いツボ群です。第一に鍼をするにもやっぱ痛い所です
からね。
感染症などによる高熱時とか子供の引きつけや気が逆上して暴れる時、
日射病に始まりショック状態、脳卒中や心臓発作(急性心不全)など、
とにかく意識不明時には瀉血(太い鍼などで刺して血液を絞り出す)をします。
普通に鍼を刺すのは、頭がぼーっとする時、身体の各部の腫れや痛み、出血時、
(精神状態も含めて)心臓や胸が苦しい時、精神が興奮した時、
逆に鬱状態の時にも効くし逆子の矯正(至陰)にも使う等々で
メチャ痛いけど多彩な症状を取る力のあるツボ群ですね。

A「栄穴」
井穴から湧き出してスタートした経気は少し気が栄え始めて徐々にパワーアップすると考えました。
この部位が「栄穴」で、指や手のひら、かかとや足の裏などに辺ります。
井穴と同じように発熱、身体各部の腫れ痛み出血を取る働きがあります。
生殖器のトラブルにも使います。

B「輸穴」
栄えた気がここに運ばれ(運輸され)しっかりプールされてより大きな流れへと変身しようとする部位がこの輸穴であるとします。
上記のMVP的な経穴もここには多いですよ。
それは太淵(肺経)神門(心経)後谿(小腸経)束骨(膀胱経)太谿(腎経)太衝(肝経)等々です。よぉーく使うツボ達ばかりです。
陰経の6経(肺、心包、心、肝、腎、脾)の場合はそのまま「原穴」でもあります。
もちろん関節近くにあるのだから手足の関節そのものの腫れや痛みの治療に使いますが、特に「原穴」にもなっているツボの場合は、その経の内臓の働きを調整します。

C「経穴」
気がスースーと良く流れている、その部分のツボが経穴とされています。
やはり関節部、前腕、下腿部にあります。ここにも独特の効果を持つツボが集まっていますね。
勿論関節の痛みを治療しますが、手のツボ群はノドの諸病、呼吸器系循環器系の病、足のツボは消化器系、背部の諸病に多く使います。精神科の治療にもよく使いますよ。

D「合穴」
名の通り各気が合流して体内深く入る部位であるとされています。
肘や膝関節の周囲にありますね。
代表選手が「足の三里」ですね。三里はご存じの通りお腹の病気全般に効果があ
ります。




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