★世界各国のツボ療法事情★

>名前 = H.M
>性別 = 女性
>age = 20to29
>メッセージ =初めまして。
私はテレビの制作の仕事をしております。現在は、「ツボを押して健康を増進しよう」といった趣旨の番組の制作をしております。日本・中国はもとよりヨーロッパ、アメリカのツボ療法事情について詳しく知りたく思っております。 そこで、一点ご質問をさせていただきます。アメリカ国内で、現在注目されている、または流行っているツボ治療や、目新しい情報(例えば、NASAの宇宙飛行士がツボ治療をしているなんていう事実があればいいなあ、と思っています)などあれば教えて頂けませんでしょうか。 実際に目にされたものや新聞、雑誌でご覧になったもの、、、なんでも構いません。どうかお知恵をお貸し頂ければと思います。お忙しいところ誠に恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申しあげます。 そして、もう一点、、、この番組の制作に携わって日々疑問に思っていることなのですが、「ツボ」と経穴のことを私たち日本人はいっていますが、この「ツボ」の語源は一体どこから来ているのでしょうか?ご存知でしたらお教えて下さい。以上、長々と書き連ねてしまいすいません。どうぞよろしくお願いします。


H.M 様へ
お尋ねの2件について私の見解をお伝えします。欧米の鍼灸事情ですが、日本のようにいわゆるツボ療法的なポピュラーな感じで鍼灸医学を認識していませんね。
そういう感じでは、むしろ「ホメオパシー」の家庭用治療キットなどがよく売れているようですので「ホメオパシー」が日本でいう「ツボ療法」的地位にあると思いますよ。
ホメオパシーについては私どものホームページの「世界の伝統医学」の項に詳しく紹介しています。
鍼灸医学は日本では按摩やマッサージと類似した、病気治療というよりも肩こりや簡単な腰痛などの症状を和らげる、又は治す程度の治療法といった認識ですが欧米では完全に病気を治す医学ですから、素人療法的なものは殆どみられないようです。
それと、今一つ日本と違うのは、日本では医師でも鍼灸を利用している方々といえば大多数がそれこそ、肩こり、腰痛、五十肩のような整形外科領域においてですが、欧米ではむしろ内科医が鍼灸を利用しているいるケースが多いようです。
それと当節は麻薬などの薬物中毒の治療法としての地位を築きつつあるようです。
薬物中毒には西洋医学も特効薬が全くない状態ですので。
欧米の鍼灸が病気を治す医学で日本の様なお手軽な療法でない理由は、日本から伝わったのではなく直接中国から「中国医学」として伝わった事情によります。
(この点についてはホームページの「関連リンク集」の中の欧米の鍼灸リンクの項をお読みいただきたいと思います。)

例えば、「肩こり」のような日本ではポピュラーな症候も中国はもとより、欧米でもほとんどの人が知らない訳です。
この様な、日本独特ともいえる病気と言うほどでもない症候が日本人に一般的に多いために、お手軽に「肩こり」を治すような「ツボ療法」が多分、日本でのみ需要が有るのだと思います。
日本は「四季」という見た目には美しくても、約3ヶ月ごとに気候の変化を起こす、しょっちゅう季節の変わり目がある風土な訳で、身体にはどうしても負担がかかります。
それと、座して生活する習慣でもあり骨盤に歪みを起こしやすく結果、「冷え性」や不定愁訴を訴える「半病人」が多くて余計にツボ療法を必要不可欠なものにしているのでしょうね。

それに、「肩こり」という言葉自体が諸外国にあるのか(英語にはありません)、各国の方々にむしろ取材して頂いて、私の方が知りたいぐらいです。「ツボ」の名の由来ですが、古書にも「孔」と記されていたりしますが、手前味噌ですが私のホームページの「ツボ」に関する部分を読んで頂きたく思います。
(ファイルとして添付しますが、うまく送れるでしょうか)
参考文献ですが、 「はるかなる東洋医学へ」朝日新聞社 あの朝日新聞の元記者 本田勝一氏の書ですが、氏の友人が日本人でありながらアメリカの鍼灸学校に入学されていてアメリカの鍼灸事情が詳しく載っています。

それとバックナンバーになりますが月刊「毎日ライフ」2月号 毎日新聞社にも東京女子医大の東洋医学研究所の所長代田文彦氏がドイツの鍼灸事情について述べておられます。
この代田氏が多分どなたも認める日本の鍼灸医学研究の第一人者です。
代田氏の鍼灸に関する解説は無理なくスッとどなたにも納得のいく、こなれたものですので、ご一読おすすめします。
如何でしょうか。鍼灸に関して他に納得しがたい事などあればご遠慮なくお尋ね下さい。


>名前 = H.M
>性別 = 女性
>age = 20to29
お返事ありがとうございました。専門家の立場から的確なお答えを頂き、大変感謝しております。やはり、アメリカでは鍼灸は日本のように“病気でない病気を治す”的な捉え方はされていないんですね。松岡さんのご指摘とのように、私が図書館などで漁った資料にも、エイズ治療や麻薬患者の治療、はたまた鍼麻酔など、かなりはっきりとした疾患を治療するのに用いられていることしか明記されていませんでした。 アメリカというと私たち日本人がびっくりするようなことが常々存在するので、なにかあるのではと思い探しに探して大変な苦労をしておりました。 ただ、もうひとつ気がかりといいますか、お伺いしたいことがございます。(いつも質問ばかりですみません・・・・)鍼灸にとらわれず日本人のように「ツボを押してより健康になる」という意識で行われているものなど、お気付きのものはありますでしょうか。按摩、マッサージ、リフレクソロジー(最近、日本でも注目されてまいる足の裏を中心にマッサージするゾーン療法。WHOの資料によるとルーツはアメリカインディアンだとか)の普及状況やその発展系などがあればお教え頂ければと思います。お忙しいところ申し訳ござい ません。何卒、よろしくお願い申しあげます。


H.M 様へ
あくまで私の判る範囲ですがお答えします。
身体の特定の場所に触れて体調や症状を緩和させる考えは、それこそ人類の誕生期から自然発生的に有ったと考えられますが、それを体系付けて医学としてまとめたのは、おおよそ紀元前(B.C)3000年ほど前のインドの医学でしょう。
医学の歴史としてはインドが世界一古いのではないでしょうか。
バビロニア(チグリス、ユーフラテスの辺り)のハムラビ法典が医療規定のヨーロッパ最古のものと言われていますが、これがBC1800年ごろですし、漢方医学も古くてもBC2500年ごろが起源と言われていますから。
インドの医学古典書「アーユルベーダ」の治療法の中のマッッサージや指圧法は中国の経穴が発見される前に完成していますので、ツボを押すのではなく、手足や首の付け根の関節の辺りのリンパ節を主に全身を治療します。
無論、足の裏も丁寧に揉みますので、アメリカインディアン説は、実際彼らが行っていても、時代的に遙かにアーユルベーダに遅れると思います。
古代インディオのアステカ、マヤの遺跡でも文化的な全盛期は7〜8世紀以降でしょうから。

*調べましたところ、アメリカインディアンのナホバ族指定居住区域には「メディシンマン.インディアン.ヘルスサービス」というインディアンの伝統医療のトレーニングセンターがあってそこで薬草治療やマッサージ=これに足裏マッサージが含まれているのでしょうか?=などの方法の伝承を行っているようです。*

この足の裏の指圧は急に最近日本で有名になったせいか、返還後の香港の日本人観光客買い物ゾーンに、にわか足裏マッサージ店が、たどたどしい日本語の看板を掲げて開業乱立しています。
(香港は度々行ってますが、最近のこの変化には驚いています。)一概には言えませんが、足の裏療法は簡単な体の不調には良いでしょうが病気の治療ではないですね。
経穴の鍼灸治療などにプラスして利用するのは意味があるかもしれませんが。
とにかく経穴の知識の延長線上に「ツボを押す」という考え方があるわけですから
中国医学の伝わった地域(主にシルクロードを経て)でそれぞれアレンジしたツボ刺激法はあるはずです。
例えば、トルコでは有名なトルコ風呂(ハマム)のあとで、
アーユルベーダ的按摩やマッサージをやるらしいのですがそのポイントにひょっしたらツボを利用してる可能性はあるわけですね。

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