★心の健康について★

名前 = アラタ
男性
age = 40to49
メッセージ =
始めまして。 「引きこもり」のページを興味深く読ませていただきました。(引きこもりで苦しんでいる親族がいます) 東洋医学の頭の健康というか心の健康法について教えてください。


アラタさんへ
難しいご質問ですので長くなるかも知れませんが、「心の健康」についての私の考えを思いつくままに述べさせて頂きたいと思います。
(適当に端折ってお読みください)
金が入いるや否やすぐ支払いに出払ってしまう、収支が逼迫して”やり繰り”に窮する経営状態を「自転車操業」と言いますね。語源はよく知りませんが面白い表現です。会社経営では「自転車操業」は大変に困った状態でしょうが、どうやら生命活動にとってはこの「自転車操業」が生命本来の在るべき形や力を保つ最も良い状態であるようなのですよ。例えば人間の場合、呼吸や飲食によって活動のエネルギー源を得ると直ちに吸収できる形に変化させて取り込み不要なモノは排泄します。このエネルギー源は当座の必要量を得れば充分で、たまさか余分に採ると「中性脂肪」「尿酸」etc・・・と貯まるとロクなもんじゃないモノに変ってしまいます。
地球上で人も動物も力が拮抗していた時代では、常にエネルギーの「自転車操業」状態が常であって、その状態こそが「平時」と設定され生命維持のプログラムが働いているのでしょう。継続的な「飽食」などプログラムの想定外ということで次々と様々なバグやエラーが出てしまうんですね。事実、食料に事欠く戦時下や貧困で粗食が続き取得カロリーが制限されると女性の妊娠率が高まることは世界中で確認されています。男性(精子の活動力)でもおそらく同様の傾向(低カロリーの粗食〜精子の運動能力の強化)が見られるのではないでしょうか。「貧乏人の子沢山」とは正にそういう事でしょう。生命にとって「種の保存」エネルギーが強い時こそ種本来の力も強い、すなわち種としての完成形に近いと考えるべきではないでしょうか。
エネルギー源として摂取した飲食物も最後は「尿」や「汗」「便」として排泄する訳ですが、この排泄が滞ると身体にとって問題である事は誰もがよく知っています。丸一日「尿」が出ないのは既に何らかの病気である疑いが濃厚ですが、「便」が出ない「便秘」は環境の変化や様々な理由で病気でなくとも一度くらいは誰でも経験する症状です。しかし慢性的に便秘を重ねていると不快であるばかりかいずれは健康を害する事はこれも又誰でも分かっています。そしてここから排泄物が大腸に長く滞留する「宿便」などいう言葉も生まれてくるのですね。宿便」はいわゆる医学用語ではないと思いますが、「宿便」こそは諸悪の根源である云々といったニュアンスの「宿便取り」を唱えた健康食品の広告はよく目にします。この出るべき排泄物が身体に長く溜まる事は病気の元である、健康を損なうはずだという考え方は不思議と誰もが知っていて異議を唱える人はまず居ないでしょう。・・・・つまり、冒頭からここまでの身体における「自転車操業」云々は誰もが知っている聞いた風なことを述べたに過ぎません。
問題はここから先です。実はこれは「頭」の健康にも全く同じように当てはまると考えるべきだと思うのです。つまり頭の健康にも「自転車操業」が相応しいのです。様々な感情や思考、情報は「心の栄養」になる部分だけ、生存にとって当座に必要な分だけ記憶(保存)したら残りはさっさと忘れる事、「削除」することが頭の健康に不可欠と思われます。「何でも一晩寝たら忘れる」〜が頭の健康の源です。つまり入力された情報は入る傍から出て行く、「方丈記」のイントロにあるように「行く川の流れは絶えずして、しかも、元の水にあらず。.....」と人の世の「無常」を語っているのですが、私はむしろその「無常」、つまり「常なるものは何も無い」ことこそが、心の健康にも大事であると思うのです。人間も毎日毎日何かを考え感じていても、しかしその感じ方や考え方の中身は決して昨日とは全く同じではない、といった風に頭の中も常に川の水のように思考が一箇所に止まらず流れ続けている状態が「頭」の健康維持には大切です。溜まって「沼」になってはいけないのですね。一つの考えや感情を長く留めたり、繰り返し繰り返し同じことばかり考える事は「取り憑かれる」と表現されるように”頭が壊れてしまう”正しい脳の環境を失う、思考力を失うことになると心すべきですね。
むしろ、「大腸」以上に「頭」にこそ「思考や感情の停留」は禁物だと思います。私達は「便秘」しないように気をつける程にこの「頭の宿便」=取り敢えず「宿考」とでも呼びましょうか=に気遣っているでしょうか?
解決方法が見つからない悩みも「頭の健康」を思えばさっさと早く見切りを付ける心的技術を会得しなければ成りません。株式売買における「損切り」ですね。好転しない情況下では自分の判断ミスをさっさと認めて結審し、思考の再スタートを図ることです。要するに自分自身の生命の存在と発展にとって必要な「前向きな考え」以外は繰り返し考えないで「捨て去る」或いは「忘れる」事が何より大事と日頃から心掛けることが大切ですね。頭の健康は即、身体の健康にもリンクしていることは当然ですから、「物事にこだわらない」性格がが長寿者に共通するのも納得です。 お互いに「リセット上手」に成りたいものですね。


「トラウマ」(心的外傷)も精神医学の専門用語でありながらずいぶん有名に成りました。いわば頭の「宿便」の一つですね。これも実は同じ体験をしても「トラウマ」化させてしまう人とそうでない人がいるわけです。つまり体験した出来事が「トラウマ」となって一生を引きずってしまうかどうかは、体験した出来事の悲惨さに必ずしも比例している訳ではないはずだと思うのです。先に述べましたように、内容の是非を考慮せず同じ事を繰り返し考えるクセ、同じ感情を長く保とうとする性癖が「トラウマ」を作ってしまいます。「耽溺癖」とでもいいますか、肉体よりも精神的エネルギーの強い人です。ですから、例えば決して悲惨な出来事でなくても、「限定的な思考や感情の常駐=宿考」が「トラウマ」同様に異常行動を引き起こす事実はいわゆる「恋病い」で放心状態に陥ったり、愛しい恋情からも「ストーカー」に変貌する事からも察せられます。恋愛による心中事件も発見が早く命拾いすると、ほとんどのカップルは自発的に別れてしまうそうですから、これも同じ事でしょう。憑きモノ(常駐していた思考)が落ちて冷静になったというか、言わば頭の「宿便」が取れて元に戻ると「何で死を考えるほどに悩んでいたのだろう」って事になるんでしょう。
しかし、良し悪しに関わらず同じ事を繰り返し考えるクセ、同じ感情を長く保とうとする性癖は生まれつきの遺伝による性格的要素が大きいと思われる方が多いでしょう。もちろん遺伝的要素は大きいのでしょう。それは例えば民族的、人種的に特徴的な性格があると言われている事からも察せられます。真偽はともかくとして世間でよく言われている卑近な例を上げるとアジア人では陽気で明るいフィリピン人に怒りっぽい韓国人、大言壮語する中国人、根暗で小心な日本人などと言った風にね。しかし又一方では頭部の事故や病気によって、一晩寝たら何でも忘れる楽天的な人が前記の宿便型の粘着思考タイプに変化してしまったりするのですから、遺伝しているのは「性格」といったトータルなものではなく、頭部の血行不良による思考の停滞を起こし易い、ただ単に「頭の血行不良を起こし易い体質」なのではないかと私は推測しているのです。

話は一足飛びに中国医学に飛びますがこのような「感情や思考の滞る身体の人」を中国医学
では「肝鬱証=かんうつしょう」とか「肝鬱気滞証=かんうつきたいしょう」と言ってますね。要するに肝臓とその周辺の血液循環(門脈も含む)が上手く行かない体質で、
この部分がブロックして全身のエネルギーバランスを狂わして、特に頭部のエネルギーが停滞すると考えられています。この「肝鬱気滞証」は実は日本人に多い体質で、「弾けられない根暗な日本人」とは「肝鬱気滞」が犯人の一人かも知れませんね。医書によると、この「証」の人は不安が強く、抑うつ的、被害妄想的で故に小心で臆病です。この為に対人関係を結ぶ席では緊張を強いられるので「アルコール」を「触媒」として必要とします。つまり酒の力を借りないと、不安と抑うつ、被害妄想から解き放たれて「相手に心を開く」事が出来難い人種ですね。ところが元々が人種的に(遺伝的に)肝臓を巡る環境に問題が有るために起こっている証(気質)なのですから、アルコールには強いはずも無く余計に日本人に肝臓疾患が多い事になってしまいます。このように日本では「頭の健康」を損なうと「うつ病」に至るケースが圧倒的に多い訳ですが、中国の精神科医に聞いてみると中国では「うつ病」よりも「躁病」の方が多いそうです。「うつ病」が思考の「凝集」と「停滞」とすれば、「躁病」は思考の「拡散」と「放漫」とでも言いますか丸で違いますね。社会問題となっています「引きこもり」も日本人特有の現象であり、私は「肝うつ証」の一種であろうと思っています。

このタイプを自覚されている方は、(頭の)健康を維持する為にも楽しく生きるためにも日頃から頭の「ガス抜き」アイテムを多く持つことやその為の訓練が必要ですね。自分の性質に有った趣味を持つこと、又頭部に停滞した気を下半身に下げる意味でも足腰を使う運動は頭の健康にとって大切ですね。スポーツは頭にばかり昇り過ぎた意識を身体の中心に下げる意味でも現代人にとっては貴重な生命修正アイテムだと思います。

もしも「スポーツ嫌い」でガス抜きの下手なタイプの方が「トラウマ」に発展しそうな出来事に遭遇した場合は初期段階での手当てが一番大事ですから、いっその事「心療内科」や「神経科」を訪れて早期手当てを行うことお奨めしたいです。薬を使ってでも何とかその場をクリアすることが深刻なトラウマ化(PTSD)を防ぎます。もちろん同様の薬は漢方薬にも有ります。(生憎と日本には漢方薬専門の精神科医は居ないみたいですが)
アメリカ人は日本人からすると些細な事でも予防もかねて精神科医院を受診したりカウンセリングを受けますが、これも私は人間関係の希薄な現代を生きる知恵のように思います。アメリカに長く住んだ友人によると、ホームパーティの盛んなアメリカでは夫の出世に影響する大事なパーティに出席したり、自宅で催す時など席上で陽気で朗らかに振舞えるように精神安定剤や抗うつ剤などを事前に服用する奥様が結構居られるそうです。家族が重病になった時とか、夫婦ゲンカの後にも精神科医を訪れて気分の落ち込みを防ぐ方も多いとか。確かに薬に頼っていては精神の鍛錬が行われない・・という意見ももっともですが、常日頃から心労の激しい人(ハイリスクな人)に限っては予防措置として悪くないアイデアだと思います。
日本人は遺伝的に前記の「肝うつ証」が多く、つまり不安が強く小心で引っ込み思案な人が多いので、人との集まりには「アルコール飲料」が「抗うつ剤」「精神安定剤」として昔からあらゆる場で機能しています。元来は遺伝的にアルコールに弱い体質の国民なのに酒好きが多い由縁でしょう。
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