★感染を防ぐ〜オートクレープによる鍼の消毒★

名前 = Y
性別 = 男性
age = 30to
メッセージ =以前から鍼灸にはお世話なっております。
交通事故等で頸椎捻挫などを発症し現在も鍼灸院に通うことがあります。
最近ですが感染症について厚生省やテレビで話をよく聞きますが、鍼灸においてC型肝炎やエイズなどの危険は全くないと言い切れるのでしょうか、デイスポーザタイプの鍼などは問題ないと思いますが、鍼灸院すべてが扱っているわけではなく、又高圧滅菌処理も施されているのかは患者側に伝える義務があるのではと思います。
一部の鍼灸院では説明をうかがいましたが全ての鍼灸院までには患者に伝えるという病院側の義務を徹底するべきではないのでしょうか。


Y様へ
ツボ探検隊の松岡です。メール有難うございます。ご指摘通りですね。
構造が言わば「パイプ」である”注射針”と単純な棒状の”針灸針”は全く違う構造物であって、感染の可能性では同一には論じ難いのも事実ですが、過去に感染による大きな問題が無かったからと言って将来もないとは絶対に言えませんね。
 確かに注射針の場合は怖いエイズや肝炎ではなくても細菌感染で化膿を起こす事は使い捨てで無かった昔ならよくあった事です。
しかし、針灸治療で実際に起こる可能性からいうと、問題は「感染」よりも不用意な施術によるの内臓諸器官などの「損傷=傷害」にありますので、かつては丁寧な「消毒」はもっぱら針灸師自身と患者さんの「精神安定」の為に有った様な気がします。
 中国の「針灸針」からヒントを得て開発された「注射針」で感染のトラブルが相次いだからと言って、昔から同様のトラブルの無かった構造の違う「針灸針」までも過剰に警戒されるのもなァー・・って感じている老針灸師は多いと思いますよ。
現に「使い捨て針」の製造輸出を一手に引き受けている中国本土では実際には自国内ではこの使い捨て針を治療に使っていませんからね。
 ・・・というかつての鍼灸界における暗黙のコンセンサスも実は日本を始め先進諸国ではご指摘のC型肝炎、エイズ、各種耐性菌に免疫抑制剤等々と人間の免疫力を巡る状況がマイナス方向に一変しており、過去に無くても今後はあるかも知れない。ご指摘通り本気で感染に対応した消毒が必要な時代になって来ています。
 
その様な状況下では高温圧の滅菌器「オートクレープ」は現代の針灸院の必需品ですね。
(本場中国ではまだまだアルコール消毒が一般的ですが・・)
当院でも待合室にその旨の表示プレートを掲げています。
少なくとも治療院を検索される際は事前に電話でチェックされるのが良いですね。
(各県にある鍼灸師会員はオートクレープ設置は必須条件のはずです)
 一方そのほとんどが中国で生産されている「使い捨て針」についてですが、当院でもご要望があれば使用する意味で必ず置いていますし私自身も旅行などに持ち歩いて使用するのですが、あれ自体簡単な紙パック包装ですから果たしてどの程度の殺菌処理が施され維持されているのか不安になることがありますね。
何しろ「使い捨て針」の値段が中国での原価を聞くと、1本が2円前後と大変に安いので、余計そんな心配が頭をもたげます。
その点では自分自身でしっかりこの目で確認しながら「オートクレープ」により消毒するほうが安心な気がしています。

それと、おそらく、そもそも、どうして全ての治療を、最初から「使い捨て針」にしないのかと疑問をお持ちになる方も多いと思いますので、その事にも触れておきたいとも思います。
 ことに日本の針灸針の場合は、かなり細く、又しっかりと研磨が施されていて、非常になめらかな滑り具合で皮下にするっと入っていきます。皮膚の中に入る時の痛みがほとんど無いのです。
要するに日本製の針は重箱の隅まで神経が行き届いた、精密機器などの日本製品に見られるのと同様の、独自の完成度を持っているんですね。 
そしてその分当然ながら、使い捨て鍼の何倍も高価な訳です。
 日本針灸では「痛くない針治療」をキャッチコピーに唱っているほど、如何に痛みを感じさせずに治療を行うかが、針灸をより多くの方々に広めるためにも常に大きな課題と成っています。
この研磨が行き届いた精度の高い日本製の細い針(使い捨てではない)を使って、患者さんの身体に針を刺したことで起きる微妙な変化を細い針を通じてすくい取り、読み込みながら進めていく、患者さんにとって負担の少ない治療が「日本針灸」ならではのコアな世界なのです。
 

確かに「使い捨て針」でも同様のことが出来ない訳ではないのですが、日本人には皮膚感覚が非常に鋭敏な患者さんが多いので、どうしても針が入る感触が「使い捨て針」では荒いとか痛いとか仰いますね。
私はこれらの針も症状や病気によっては大きな刺激量を得るために必要で、使い分けていますが、日常的にはやはり日本製の細い針をメインにしています。
 
ご参考までに当院のオートクレープの表示板、オートクレープの様子、オートクレープで消毒後の針を保管する光線消毒による保管庫の画像を添付します。


院内感染を防ぐ:
当院に来られたら、驚かれると思いますが、実験にて99.9%ウイルス除去が証明された空気清浄機を、玄関待合室に一機、治療室に2機設置して、24時間稼動させています。
患者さんが持ち込むインフルエンザウイルスなど、様々な空気感染する病原体を死滅させるためです。
ノロウイルス、鳥インフルエンザウイルスも死滅させる機種です.。
今や、この様な空気感染への対策も必要な時代になりましたね。

 

PS:「感染」では正直なところ鍼灸師自身が瀉血治療などで患者さんの血液から感染する恐怖の方が実は遙かに大きかったりします。ご存じのようにエイズやC型肝炎はダメですが、A、B型肝炎、破傷風などの予防接種によって防げるものは治療家は接種を受けなければなりません。
 
 
  
オートクレープ:すべてのウイルス、細菌類を死滅させることが出来る、温度120度まで蒸気を加圧上昇させ、鍼を殺菌する機械です。
現在のところ、最も効果の高い滅菌装置です。

←これがオートクレープです。
右のハンドルを回して、しっかり密閉し、高圧をかけます
私の所では温度は120度で20分間かけています。

     消毒を終えた内部の様子
消毒後の鍼はひとまずこの紫外線殺菌保管庫に保存します
オートクレープによる消毒を行っていますという意味の表示板です。待合室に掲げています。同様の消毒方法は各県の正規鍼灸師会員には義務化されているはずです。又この会員は同時に万が一の治療によるトラブルにもしっかり億単位の金額まで補償する賠償保険にも全て加入しています。 鍼灸治療を考えておられる方々には各県の鍼灸師会員である鍼灸院か否かも事前に確かめられることを是非お奨めします。まだまだ現実には入会されていない鍼灸師さんの方が多いですから


 

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