★温暖化と伝染病 SARS鍼灸治療 ★
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今地球の温暖化で伝染病になりやすい地域があるそうですが、どんな所でおきてどんな病気になっておられるのですか。


こんばんは!ツボ探検隊です。
げに我がサイトには珍しいアカデミックなご質問を頂きました。実は先週(4月18日〜)は私、北京に居りました。そしてこの北京の気温が4月にも関わらず摂氏32度にも達して汗だくの毎日、おまけに「黄砂」の粉塵が上空を覆って連日の曇り空、すっかり地球温暖化の洗礼を受けて帰国したばかりです。中国の昨年から今年に掛けての車の増え方は驚くばかりで経済の急発展に伴いこの国の排気ガス増加率もおそらく過去にも例が無い程のハイスピードではないでしょうか。中国は今や「世界の工場」と呼ばれている程ですから今後その発展速度に伴い急速にエネルギー消費大国化する訳で、つまり「ツボ」の本場中国は「ストップ・ザ温暖化」の対策上でも大きな「ツボ」(核心)の国に成って来るはずです。

・・・・でご質問の伝染病に関して:
先ず地球温暖化って事は言葉通り地球の気温が上がる事、赤道近くの熱帯域は砂漠化し、温帯は熱帯へ寒帯もそれなりに暖かくなって生物の生息域が限りなく極点に近づく事になりますね。かつては低温で生物が住めなかった地域も温かく成り、病気を伝染させる小動物や虫などが生息する地域が拡大することに成るんですよ。言い換えるともっぱら熱帯地域を原産(?)とするあらゆる伝染病が人間が住むほぼ地球全域に蔓延する可能性が出てくる訳です。例えば病気を伝染させる虫として悪名高い「蚊」は日本では昔から「日本脳炎」ウイルスを運ぶので知られていますが、熱帯域では他にも「マラリア」や「黄熱病」を媒介し、最近ではアフリカの「西ナイル熱」が北アメリカに上陸し温暖化によるものと注目を集めました。この大いなる媒介者の「蚊」は寒冷地では生きられない虫で日本でも本州ではまず夏しか見ないですよね。ところがこの「蚊」も温暖化でもっともっと地球上の広い地域で繁殖する訳ですから、もっともっと広い地域で蚊が媒介する病気が流行る事は簡単に想像されます。先の「西ナイル熱」は「日本脳炎」に似たアフリカ発の伝染病ですが4年前に始めてアメリカ大陸(ニューヨーク)で発症者が出て、その後全米各州の数千人が感染し多くの死者も出て世界を震撼させました。そして問題はこの「西ナイル熱」ウイルスを運ぶ「アカイエ蚊」は日本にも生息する「蚊」ですからアメリカとの交流が頻繁な我が国でも発症者が出る危険性が指摘されていることですね。

ちょっと強引かも知れませんがこの辺で話をサイト本来の「ツボ」に持って行きましょう。実は(4月)22日には北京から上海に入ったのですが、当日の上海は雨上がりで急な冷え込み、北京とは15度以上の温度差のせいか翌23日には私、悪寒発熱、咳き込み状態と成ってしまいました。ところがその日偶然にもテレビでは何と昨日まで滞在していた北京でSARS(悪性新型肺炎)患者発生のニュースが報じられていたのです。私は25日早朝に帰国予定ですから何とかして発熱を押さえずしては日本へのスムーズな帰国は危ぶまれる状態と成ってしまいました。取り敢えず24日の行程はキャンセルし自然治癒を期待して一日休養を取りましたが夜に入っても熱は全く下がっていません。翌朝には出発ですが空港では搭乗者全員の体温測定が有ると聞かされたのです。そこで急遽友人の中国人鍼灸師にお願いして鍼治療で解熱と咳止めを頼みました。治療開始後5分ほどで先程までの高熱はあっさり平熱まで下がり、いつの間にか咳もすっかり止まっていました。(思わず悲鳴を上げてしまう程の激しい鍼治療でしたが・・。)この治療が見事に成功したお陰で上海浦東空港でも到着した関西空港でも体温測定器を無事にクリアして予定通り帰宅しました。もちろんそれっきり治って現在に至っています。

ことほど左様にツボを使った鍼治療では悪寒発熱と言った感染、急性症状にも大きな効果を発揮します。随分以前のことですが私の身内(JAL日本航空勤務)にも赴任中のシンガポールで病院の医師が見放した「劇症肝炎」を現地で雇用していた運転手に有名な鍼灸師を紹介して貰い、たった一度の鍼治療が成功して「九死に一生」を得た者もいるのです。(シンガポールにも凄い鍼灸師が居たもんです)

つまり適切なツボ刺激は明らかに生体の免疫システムに大きな働きかけを行い、感染症(伝染病)に対しても即効を発揮します。(中国では感染症に対する鍼灸実験が度々行われ血液検査等により効果が証明されています。)

元来ツボを使った鍼治療とは我々の身体が備え持つ免疫も含めたリカバリー・プログラム(自己修復=自然治癒力)のコントールに過ぎないのですが、問題は我々の身体がどのレベルまで自己修復或いは再生の可能性を有しているか、そのメカニズムの詳細が分かっていない事ですね。
しかし「MRSA」の如き抗生物質の効かない耐性菌、「SARS」を始めとした新たな変異ウイルスによる感染症、「鳥インフルエンザ」もそうですね。先の「西ナイル熱」等々の地球温暖化に伴って蔓延化する伝染病対策にも免疫機能を体表からコントロールする働きを持つ「ツボ」治療が何らかの有効なアイデアを提供できるはずだと思っています。

(〜つまり現在の医学が認識しているレベル以上に人体は実は意外なほどの自己修復&再生能力を秘めているのではないか。この「秘めたる能力」を如何にして探り出し俎上に上げるかが鍼灸師の仕事だと私は思っています)

以下に昨年の5月に中国で多くのSARS患者の治療に携わった鍼灸医が発表したSARS治療のツボを記します。
(これらはSARSに関わらず鍼灸師が呼吸器感染症に用いるごく当たり前の配穴ですが、2004年4月末現在中国では昨年同様に感染者が出ていますので、ご参考までに記します。従来の肺炎、肺結核の治療にも有効です。)

 ●発症直後:
 (緊急に呼吸器、免疫機能の増強を図るツボ配穴)

  大椎、合谷、曲池 肺、だん中、気海、定喘、足の三里、内関、三陰交
  〜適宜お灸、鍼には通電、穴位注射(ツボ注射)十宣穴の瀉血等を行う。


  意識混濁、自主呼吸不可能:
 (脳への覚醒作用、気管支拡張、排痰を目的とする緊急救命)

  人中、天突、気舎、内関、三陰交、十宣穴(両手指先尖端)の瀉血 

 回復兆候時;(栄養吸収を促進して体力増強を図る)
  中かん、関元、足三里、三陰交、陽陵泉、脾
、胃 
 〜温灸鍼、温灸等々患者の容態に応じた刺激法を取る。

 
 感染予防:感染症に罹らない体力を維持する事が先ず先決。
 (栄養状態、心肺機能を改善し体力増強を図る)

   チキンスープ(特に雌鶏が良いという事です)
  =欧米でも昔から風邪や呼吸器疾患にはチキンスープが良いと言われています。

  足三里、内関、子供は身柱、老人は筋縮、脾、胃、腎を加える。
  以上のツボに出来ればお灸(温灸も可)を繰り返し行うこと。

      ※ツボの見つけ方について←クリック

                                                   2004.04.28

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